ACSM ファイルが EPUB ではない理由(Android)
.acsm は本そのものではありません。Adobe Content Server が保護された EPUB や PDF を取り寄せるための、小さな認証メッセージです。拡張子を .epub に書き換えても開けないのは、本文も画像もまだその中に入っていないからです。
ファイルの中身
ACSM は Adobe Content Server Message の略で、多くは数キロバイトしかありません。中身は取引や貸出の情報です。どの本を、どの権利で取得してよいかを、認証済みのソフトウェアに伝えるための引換券だと考えてください。
引換券が数キロバイト、受け取る本が数メガバイト。この差が、拡張子を変えても意味がない理由をそのまま示しています。
日本でこのファイルに出会う場面
国内では、自治体の図書館の電子書籍貸出でこの形式に行き当たることがあります。図書館ごとに採用しているシステムが異なり、専用アプリの中で完結する仕組みもあれば、Adobe の認証を経由する仕組みもあります。
いずれの場合も、案内しているのは図書館側です。配布元のページに書かれている手順から離れないでください。
正しい手順
- ACSM を配布した図書館や書店のページに戻る。
- そこが指定しているアプリを確認する。
- 求められたアカウントでサインイン、または端末を認証する。
- そのアプリで ACSM を開く。
- 実際の本を取得させる。
- ライセンスが許す環境の中で読む。
よくある回避策が効かない理由
拡張子を変える。 ファイル名は中身を変えません。存在しない本文が現れることはありません。
一般的な EPUB リーダーで開く。 アプリは認証メッセージを受け取りますが、それを実行する権利を持っていません。
変換サイトに上げる。 素性の分からないサービスに取引情報を渡すことになります。期限つきのリンクを使い切ってしまい、図書館に連絡し直す羽目になることもあります。
Aurora Reader の場合
Aurora Reader は ACSM を開かず、Adobe DRM のクライアントでもありません。これは機能が足りないのではなく、ライセンス上の境界です。
同じ作品が DRM なしの EPUB でも配布されているなら、そちらは普通に取り込めます。青空文庫のように保護のかからない配布元であれば、最初からこの問題は起きません。
通常のファイルの開き方は Android で EPUB を開く に、ファイル自体が壊れている疑いがあるときは 壊れた電子書籍の見分け方 にまとめています。